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本当に 

気が付けば、
もう一ヶ月もblogを書いていなかった。

アケミちゃんが退職してから、
ますます仕事に追われる毎日。

徹夜して、会社の応接室のソファで寝る、
なんてことも。

忙しくしながら、
次第にアケミちゃんのことは、
思い出へと変わってきていた。

職場に気になる子も2人ほど。
一人とはデートの約束を取りつけていた。

そんな折りだった。

アケミちゃんから、突然メールが来たのは。

「今日って出勤してますか?」

タイミングも突然なら、
メールの出だしも唐突だ。

話を聞くと、退職に際して頼んでいた書類が未だに届かず、
KENから担当者に伝えてくれないか、
ということらしかった。
KENに頼んでくるほどだ、よほど困っているんだろう、
と思うと同時に、
困ったときには傷つけた相手でもお構い無しの文面に、
多少腹立たしい思いもあった。

実は、総務の担当者が体調を崩し、
会社に来るのもままならない状態で、
アケミちゃんの書類が準備出来ていないのだった。

その旨を書き添え、
「一応伝えてみるよ」
と引き受けることにする。

しかし、それへの彼女の返信が、
KENの意思を翻させた。

「そんなこと、私には関係ないし、って感じです。
担当者が出来ないなら、
他の人にきちんと引き継ぐべきです。
本当に急いでいるんです。」

冒頭にありがとうの一言でもあれば良かったのだろうが。

引き受けたにも関わらず、
いきなりのキレ気味の愚痴メールに完全に気分を害され、
「正直俺にも関係ないし」
と、こっちもキレ気味に。

10分後。

「じゃあ、いいです。
メールしてすみませんでした。
もう一切メールしませんので。
失礼しました。」

面倒な役を免除され、
アケミちゃんの感情爆発のメールにある意味満足し、
思わず笑いが漏れた。

もうこれで完全に最後。

つくずく合わない同士なんだなぁ、
とあらためて実感。

楽しかったし、
苦しかったし、
悲しかったし、
腹立たしかったし。

こんだけ思い出あれば十分だ。

新しい恋をする準備は、
もう整いはじめていた。

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最後の日 

ついに明日。

泣いても笑っても最後の日になる。

アケミちゃんの退職日。

街でバッタリ、とでもならない限りは、
もう会うことはなくなるんだろう。


今日、KENは、この会社に就職することを決めた。

バイトながら、新規事業立ち上げの初期メンバーでもあり、
評価してもらい、毎日のようにラブコールを受け続ければ、
悪い気はしないのが人情だ。

3ヶ月働いてみて、居心地のいい職場だし、
自分に向いた仕事を任せてもらえる上、
給料も固定給+出来高制で、稼げる。


それに。


アケミちゃんとカレ氏が一緒にいるところを見て、
苦しめられることも、もうなくなる。


9月の半ばに、
アケミちゃんからバイトの誘いを受けたときは、
「もしかして、アケミちゃんの後釜として?(笑)」
なんて聞いてみようかと思ったけど、
それが現実になったみたいで妙な気がする。


泣いても笑ってもあと一日。

多分、泣きも笑いもしないで、
アケミちゃんを見送る自分がいるんだろう。

無言とコトバ 

ダメだ…。

自分のモノでありながら、
なぜ頭と心はこうも違うのだ。


今日のアケミちゃんは、
派遣の子を一人挟んで、
KENの2つ隣のデスクで、
その子とおしゃべりを楽しみながら、
作業を進めていた。

KENは極力参加せず。

派遣の子が話を振ってきても、
気のない返事。

そのうち話題はアケミちゃんの彼氏まで及び。


知っている話とは言え、
とてもじゃないけど聞いてらんない。


けど、我慢。


話が終わるまで耐え、
ゆっくり席を立つ。

喫煙所。

煙草を立て続けに3本。

気は鎮まらない。

トイレ。

個室にしばらく閉じ籠る。

やっとのことでオフィスへ戻る。

「どこ行ってたんですか、KENさん?」
と、派遣の子。

「煙草吸ってた」
ボソッと答えるKEN。

「機嫌ワル~(笑)」

それがわかってくれれば嬉しいよ。


もうありえないし。

でも、好きだからこんなにも苦しいんだ、
ってこともわかっている。

好きだから、
嫌いになるのか。

おかしいけど、
それは頭と心が別だからだ。


アケミちゃんがそばにいる間中、
KENの意識は彼女に注がれていて、
KENとアケミちゃんに挟まれた派遣の子が、
それに全く気付いていないことがおかしいくらいだった。


退社時刻。

エントランスで、
帰宅するアケミちゃんとすれちがう。

「お疲れ様でーす」
アケミちゃんの顔も見ず、
すれちがい様に声をかける。

多分、それはアケミちゃんの予想を裏切ったはずで、
ちょっとの間をおいて、
「お疲れ様でーす」
と言う彼女の声が聞こえた。

今日初めての会話。
いや、もしかしたら一週間ぶりの会話。

これを会話と呼べるのなら。

本当の会話は、
それまでの無言の中で交されていて、
今となっては、
発せられる言葉は何でも良かった。

拒絶し、
嫌うほど、
アケミちゃんを好きなことを思いしらされ、
身動き取れなくなってい時に、
偶然訪れたコトバを交すチャンス。

不思議なほど自然に声が出て、
返ってこなくても不思議ではない返事を聞く。

何時間も語り明かした後のように、
お互いの距離が縮まった気がした。

なーんて(笑) 

アケミちゃんは、買い物に行くと、
バッグやアクセサリーを見ながら、
無意識に口が開いてしまうらしい。

自分でも、
「アホみたいなんですよ」
と言っていた。

以前、一緒に買い物に行ったとき、
真剣に商品に見入っている彼女の顔を見て、
ホントに開いてるなー、とおかしくなった。

欲しいんだろーなー。

気持ちはわからなくはないけど、
確かにその表情はアホっぽい。


昨日。


いつになく、KENのデスクの近くをうろうろするアケミちゃん。

KENはもちろん知らんぷりを決め込む。


作業の関係で席を移り、
しばらくして、ふと顔を上げると、
口を開けてこっちを見ているアケミちゃんと目が合った。


もしかして、KENのコト欲しくなってきた?

なーんて(笑)

マユさんのコトバ 

自分の中で結論が出てしまったので、
今更ってコトになるけど、
ついにマユさんに、
アケミちゃんとのコトをうち明ける。

久しぶりに、マユさんと二人きりの喫煙室で。

「KENさん、相談って何?」

「うん、でも、もういいんだ。
なんかもうわかったっつーか」

「え、なんでなんで?
力になれるかもしれないですよ」

あー、とか、うー、とか言いながら、
しばらく切り出すタイミングをはかる。

「実は俺、ずっとアケミちゃんのコト好きでさ・・・」

アケミちゃんとの今までのコト、
別れるって言ったけど、結局別れなかったコト、
ここのバイトにカレ氏も呼んでいるコト、
などなど。

「そっかぁ、それはツライね」

聞き終わって、そうつぶやくマユさん。

「カレ氏じゃないとか言ってるケド、
絶対カレ氏だよね」

マユさんにも、そんな風に言ってるんだぁ。

「うん、カレ氏だよ。
それに、多分、別れないと思う」

と、マユさんに同意する。

「でもさー、
俺の気持ち知ってて、
カレ氏も呼ぶとかありえなくねー?」

「そうだよねー。
昨日だって、きっとご飯行ったよね」


「絶対行ったよ。
あれはきつかったなー」


「今はアケミさんは厳しいかもね」

「そうだね・・・


アケミちゃんのコトも、
KENのコトも知っているマユさんの言葉は、
乱れた心を落ち着かせてくれた。

オボシメシは、このタイミングを待つ為だったのかな。

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