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 2006年07月 

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連載中ですが、究極のバトンいってみよ~ 

ちょっと重い話が続いているので、ひなちゃんにもらったバトンいってみましょ~。ドンドンパフパフ~♪

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【連載】最高で最低な彼女(19)ギリギリ 

ユキの結婚を知ってから、
KENの精神は崖っぷちだった。


極端な悲しみに襲われると思えば、
次の瞬間、今度は極端な怒りに支配される。


一人の時、特にベッドに入っているときは、戦いだった。
シーツをきつく握りしめ、壁に頭をつけて、
その両極端な感情から、自分を守らなくてはならなかった。


周りから、精神がかなり安定していると言われるKENでさえ、
この感情の波は、何週間も抑えることが出来なかった。


それが収まっても、なんでなんだよ、っていうやりきれない思いが、
一日中つきまとっては、KENを苦しめ続けた。


別れたいなら、別れたいって言ってくれればよかった。
あんな嘘つかなくても良かったのに。
別れ話も出来ない程、KENは子供じゃないのに。


そうでなくても、結婚しようって言ってたじゃんか。
あれは一体何だったんだよ。


でも、いくら心の中で叫んでみても、
その答えが返ってくることはなかった。


つづく

【連載】最高で最低な彼女(18)命拾い 

KENは残っていた冷静さを総動員して、
「あ、そうなんですか。じゃ、失礼します」
とだけ言い終えると、受話器を置いた。


やはり、体の一部は知っていた。
でも、もう隠し通せない。
耳ではっきり聞いてしまった。


駅に戻り、隣接するファーストフード店に入った。
食欲は全くなかったが、ボソボソとハンバーガーを食べた。


頭が真っ白なまま、自分の町までの切符を買い、
いつのまにか、KENは走る電車から外を眺めていた。


その間考えていたのは、死ぬ方法。
飛び降りる勇気はないし、飛び込むのは迷惑だし、
焼身自殺は絶対イヤ。


毒かなぁ。でも、毒なんて持ってないや。


あ、アルカリ性洗剤と酸性洗剤を混ぜよう。
あれなら知らないうちに意識もなくなるから。
うん、そうしよう。


電車が駅に着く。
雑踏に入った途端、思い出した。


あ、そうだ、明日バイトだっけ。
友達に紹介してもらったばかりのバイトだった。


さぼったら、そいつの顔に泥を塗っちゃうなぁ。


そんなことが、KENを今も生かしている。


つづく

【連載】最高で最低な彼女(17)告知 

この期に及んでも、目の前の現実を受け入れることが出来ず、
KENはとりあえず、ユキの実家のある町へ行こうと思った。


何度もユキに案内された町だ。
今では一人でも行ける。


電車に揺られること40分。
ユキの育った町に、一人で降り立つ。


記憶を頼りに、町を歩く。
ユキの実家はこの付近のはず。


公衆電話から、実家に電話を架ける。


KEN「もしもし。ユキさんはいらっしゃいますか?」
女性「・・・あ、ちょっとお待ち下さい」


様子が変だ。
単に見知らぬ男からの電話というだけではない。


しばらく待つと、母親と名乗る女性が出た。
KEN「ユキさんはいらっしゃいますか?」
母親「いえ、今はいないんです」
KEN「いつ頃なら戻られるんでしょう?」
母親「あ、いえ、結婚いたしまして、今はここにはおりません」
KEN「けっ・・・こん・・・?・・・え?」


血の気が引き、目の前の景色が、グルグル回りだした。


つづく

【連載】最高で最低な彼女(16)断絶 

ユキが、実家に帰ると言って引っ越してからも、
メールや電話をしてたけど、ユキはいつも不機嫌そうだった。


「一体何なんだよ。言ってくれなきゃ俺わかんないよ」
もう、「愛している」の一言にさえ、何の力も残っちゃいないようだった。


ユキは、KENが言いたいことだけ聞くと、
今忙しい、というような事を言って、電話を切ってしまう。


これは電話では埒があかないと思い、
一度会って話をしたい、とメールをした。


返事はなかった。


一週間、二週間と時は経ち・・・。


そのうち、ユキの携帯電話が繋がらなくなった。
「お客様のおかけになった番号は、現在使われておりません・・・」


嫌な予感が、現実になっていく。


“捨てられたんだよ、君は”


体のどこかではその声をかすかに聞いてしまったが、
懸命に、他の部分には聞こえないようにしているようだった。


つづく

【連載】最高で最低な彼女(15)予感 

ユキの態度が、目に見えて変わりはじめた。
バレンタインデーの前あたりからか。


キスを拒む。
部屋の中でも距離を置く。


どうしていいかわからなかった。
なんで?と聞いても、ユキは答えてくれなかった。


でも、バレンタインデーには、革の手袋をプレゼントしてくれた。


ホワイトデーには、ネックレスをお返しに贈った。
ユキはいつも通りの笑顔で、喜んでくれた。


ただ、その時のユキのセリフが引っ掛かった。
「わあ、私に?」
イヤーな予感がした。


でも、その時は、そんなに深刻には考えてなかった。


そのうち、実家に帰ると言い出した。
お母さんが病気で、介護をしなきゃいけないからと。


これも、KENは信じた。


半同棲も終わり、ユキはアパートを引き払い、
実家に戻っていった。


いや、実家に戻っていったと、思いこんでいた。


つづく

【連載】最高で最低な彼女(14)戸惑い 

冬。


クリスマスプレゼントはペアリングだった。
KENが選び、お互いに贈ることにした。


イブにはイタリアレストランでディナー。
シャンパンのコルクが例の音を出さず、ちょっと寂しい。


いい感じに酔って、帰宅。


確か、このあたりまでは幸せだった。


年が明け、いつものデート。
レストランで食事中。


ふと、ユキの左手に違和感を感じた。


ユキの指輪が二重になっている。
「わたし、もっと幅の広いのが良かったの」


冷たい言い方だった。
あまりに予想外の態度に、KENは何も言えなかった。


またしばらくして、大学に迎えに来てもらった時。


“~~に迎えに来て”


そんなメールを見て、ユキは
「わたしはKENちゃんの運転手じゃありません」


「え・・・。そんなつもりじゃないよ」
KENは戸惑った。


明らかに、何かがおかしかった。
そのメールが、「迎えに来て」ではなく、
「~~に」という、場所の指定に意味があることは、
二人にはわかり過ぎた事だったから。


ユキのこじつけなのは明らかだったけど、
何が彼女をそんな気持ちにさせたのか。


ユキも、それっきりその事については触れなかった。


つづく

【連載】最高で最低な彼女(13)初雪 

ドライブ大好きな二人だったけど、
紅葉の綺麗な秋も終わって、遠出はしなくなった。


季節はすでに冬になっていて、
どこへ行っても寒かったから。


その年の初雪が降ったのは、ある夜の事だった。


トイレか何かの用で起き出したKENが、
偶然、窓の外に舞う雪を見つけたのだ。


「あ、雪降ってる!」
「えー!?」


「あ、本当だ!雪、雪~」


暗く寒い夜、ベッドから抜け出した二人は、
子供のようにはしゃいでた。


自分の前では子供みたいな顔を見せてくれるユキが、
KENはたまらなく好きだった。


つづく

【連載】最高で最低な彼女(12)ヒマワリ 

ユキの家に向かう道路沿い。
一輪の立派なヒマワリが咲いていた。


「わー、ヒマワリだ」
「あ、ホントだ。綺麗だね」


毎日その道を通るわけではなかったが、
その日から、帰りにそのヒマワリを見るのが、
二人の楽しみに加わった。


季節はすでに秋だったが、ヒマワリはそんなことは意に介さず、
背筋をシャンとして、道行く車達を見守っていた。


「今日も咲いてるね~」
「そうだね」


そのうち、冬も本格化し、雪が降り出した。


「まだ咲いてるかな~?」
「さすがにもう枯れたんじゃない?」


なんていいながら、その場所に差し掛かる。


「わぁ、まだ咲いてるよー!」
「えぇー、あれは造花か!?」


造花疑惑まで浮上。


それからしばらくして通った時は枯れてたけどね。


ヒマワリの生命力はすごいなぁ、と感じたあの冬。


つづく


※【お知らせ】 12話で完結の予定でしたが、知らず知らず話が増えていて、今数えたらもう10話ほどあるようです。大変恐縮なのですが、もうしばらくお付き合いいただければ幸いです。

【連載】最高で最低の彼女(11)黒い虎 

-ある夜。


隣で寝ていたユキが、突然、


「ブラックタイガぁ~」
と叫んだ。


「・・・!?」


寝言か・・・。


ブラックタイガーって、エビの一種だよな・・・。


-翌朝。


「ユキ、ブラックタイガー好きなの?」
「え?別に好きじゃないよ」


「ふーん」
「?」


「昨日の夜、寝言で言ってたぞ」
「え、そんなこと言わないよー」


「いーや、言ってた。『ブラックタイガぁ~』って(笑)」
「え~・・・( ̄-  ̄;」


一体どんな夢を見ていたんだろー。謎だ・・・。


つづく

【連載】最高で最低の彼女(10)休日 

平日は、ユキは仕事、KENは大学で講義を受ける。
ユキは帰宅するなり、疲れから寝てしまうこともあった。


だから、毎日会ってるとは言え、遊べるのはやっぱり休日。
それほどアクティブな二人ではなかったけど、
かと言ってインドア派でもなく、行動範囲は割と広かった。


湖に行ったり、高原のリゾートホテルでカメムシの大群に遭遇したり。
牧場でソフトクリームを食べたり。
海岸沿いのイタリアレストランに行ったり。


映画なんかも、あまり行かなかったような・・・。
シックスセンス、スターウォーズ・エピソード1は観た記憶があるけど。


映画って、デートの代名詞的扱いを受けてる反面、
おしゃべりも出来ないから、「行こう行こう!」って感じではなかった。


いろんなところにたくさん行った。
ほとんどユキが連れてってくれた場所。


まだまだ、もっと他のところにも行こうって言ってたのに。


果たされない約束があるから、尚更忘れられない。


・・・のかな。


つづく

【連載】最高で最低な彼女(9)料理は得意 

「料理は得意だよ」
と言いながら、ユキは一度も料理をしなかった。
一応、彼女の言葉を信じてはいるのだけど。


KENが知る限り、ユキの台所のシンクは、
飲み物を飲んだコップを洗う為だけにあるようだった。


夕飯は、外食かコンビニばかり。
ユキのアパートの近くに、気のいいマスターがやっている居酒屋があり、
よくそこに二人で通っていた。


ユキは、以前からこの居酒屋に通っているらしく、
すでにマスターとは顔なじみだった。


居酒屋なのにマスターっておかしいな、と思ったけど、
慣れてくると、それ以外の呼び方はないように思えてきた。


マスターは、いつも笑顔で二人を迎えてくれた。


ユキとKENの接点は少なかったから、
二人の共通の知り合いと言えば、
このマスターと、ユキの職場仲間数人くらいだった。


この店は、確かにユキとの想い出の一部だけど、
共通の知り合いという事の方が、大事な事だった。


もっとも、そんな事を思うのは数ヶ月先になるのだけど。


つづく

【連載】最高で最低の彼女(8)歳の差 

前も言ったとおり、ユキとの年の差は、あまり感じなかった。
気にもしてなかった。


一方のユキは、ちょっと気にしていた節があった。


もっとも、自分の事をおばさんだと言ったりは、けしてしなかった。
そういう事を言うような人だったら、冷めていただろう。
冗談であっても、自分を蔑むような人が、KENはあまり好きではない。


ある日、某ファーストフード店に入った。
食事時ではなかったので、駐車場に停まっていたのは、
小○洋行の白い営業車くらいだった。


「もう、こういう店に来る歳じゃないんだよ」
と、ユキは恥ずかしそうに、それでいて諭すように言った。


「え、そうなの?」
KENはあまり取り合わなかった。


歳がファーストフードと関係あるのか、よくわからなかったし、
実際、ハンバーガーを食べるユキに、何の違和感も感じなかったからだ。


ある時は、歳の話で喧嘩になる事もあった。
喧嘩というより、KENの機嫌が悪くなると言った方が正確かな。


「今はお互い20代だけど、KENちゃんが30になったら、わたしは38だよ?40になったら48だよ?」
「うん、そうだね」
「わかる?」
「え、わかるよ?」
「お母さんとも話したんだけど、やっぱりもっと歳を重ねたら、飽きるんじゃないかって・・・」


プチッ・・・。


そんな事を言われると、さすがに軽くキレ・・・。
「どいつもこいつも、歳だけで判断しやがって」
つい口からこぼれた、乱暴な言葉。


ユキの母親をこいつ呼ばわりするのはマズイか、と思ったが、
自分がこれっぽっちも考えていないことを、勝手に憶測して、
ユキに不安を与えていることに、いらつきを感じたのだ。


怒ってみせれば、気にしてないことを伝えられるだろう、
という、浅はかで、幼稚過ぎる思惑もあったが。


そんなKENに、ユキは少し焦ったようだったけど、
その言葉を額面通りには受け取ってなかったんだと思う。


今、あの時のユキと同じ年齢になってみると、
KENは何もわかっちゃいなかった。
真面目に考えることすら放棄していた。
その点ユキは、かなり現実的に考えてた。


二人に未来があったにせよ、なかったにせよ・・・。


つづく

臆病なのか?ケチなのか? 

ヒドイですね・・・ヽ( )ノ キャッ キャッ


祝日くらいは連載お休みにしましょう。


今日は海の日。


KENも今年初泳ぎ。


室内プールでね。


スイマーのボディを目指して、これから泳ぐぞい。



て、恋愛の方はと言うと。


映画を観に行って以来、会ってない。


「おヒマですかー」とか、「3連休は何もなく終わってしまいそう」とか、それって誘えって事か?


やっぱこの人は違うよ。


そう思うのは、KENが臆病だから?


、そーそー。


映画の時の話なんだけど、結果的にポップコーンとジュースをおごったんですよ(基本、KENはおごりません)。


まぁ金額的に数百円だし、いいですよ、それは。


でもさー、「いくらでしたか?」と払う姿勢を見せるとか、「ごちそうさまでした」とか、一切なかったのよね。


すごい不思議だ・・・。


つい、今まで周りにいた男がおごってくれてて、当たり前の事だと思ってるのかな?なんて邪推してしまった。


男を育てるのは女だし、女を育てるのは男なんだよねー。

【連載】最高で最低な彼女(7)コトバ 

仕事帰りの車の中の会話。


「職場の上の人から『お前、彼氏できただろ』、って言われたよ」
「ふーん、そっかー。わかるもんなんだねー」


相変わらず、感動の薄いKEN。


「今日お客さんに『本当に綺麗ですね~』って言われたよ」
「へー」
期待した反応がもらえず、不満げなユキ。


今思えば、なんでわからなかったんだろう。
ユキは、KENからその言葉を聞きたかったってことが。


でも。


ユキのおかげで言えた言葉もあるんだ。


今でこそ結構願望の無いKENだけど、
ユキとは結婚も考えていた。


単純に、ユキとはずっと一緒にいたいと思った。
ユキも、「結婚してくれなきゃダメだよ」
と言ってくれてたから、きっとそうなるんだろうなぁ、
と半ば当たり前のように考えていた。


KENはまだ子供で、愛情表現も乏しかったけど、
ユキはいろんな形で、それを表現してくれた。


「私のどこが好き?」という問いが延々と繰り返され、
辟易した事もある。


面倒くさくもあったが、本当はそういう愛情表現が嬉しかった。


顔は笑っていたけど、ユキは真剣だったんだと思う。


そんなユキだから、「愛してるよ」という言葉が自然に言えた。
後にも先にも、そのセリフはユキにしか言ってない。


言ってみれば、KENの最大限の愛情表現だった。


あの頃は、言葉にすごい力があると思ってた。
口にすれば、それが永遠になるかのように・・・。


つづく

【連載】最高で最低の彼女(6)カゲ 

ある日の夜、ユキの携帯が鳴った。
「ちょっと待ってて」と言い残し、
寝室へ入り、扉をしめるユキ。


何を話しているのかまではわからないが、
扉ごしに、くぐもったユキの声が聞こえてくる。


やがて電話が終わったようで、
ユキの声は全く聞こえなくなった。


しかし、ユキはなかなか部屋から出てこない。


「ユキ?」
返事はない。


「入るよ」、と言って恐る恐る足を踏み入れる。


部屋に入ってハッとした。
ユキはベッドで泣いていた。


ベッドの脇に膝まずき、ユキの頭に手を乗せた。
ユキは、それが落ち着くとでも言う風に、頭をすり寄せてきた。


KENは、無言でユキの頭をなでる。
ユキは、そのまましばらく泣き続けていた。


翌日。


食事をしながら、ユキが言った。
「昨日は黙って側にいてくれて嬉しかったよ」
「でっしょ!?」
「…」


台無し…。


電話で話していた内容を聞く気はなかったが、
ユキが言うには、出生の秘密みたいな事らしかった。
聞かされていた事が、事実と違い、ショックを受けたと。


何がどう違ったのかまでは聞かなかった。
もっと、聞いてやれば良かったのかも知れない。


つづく

【連載】最高で最低な彼女(5)半同棲 

その日から、二人の半同棲生活が始まった。


ユキが仕事帰りに車でKENを拾い、
夕飯を食べて、ユキのアパートで夜を明かし、
朝は一緒に家を出る。


夜、コンタクトレンズを外していると、
好奇心をいっぱいにたたえた目で見つめるユキ。


「ん?」
「へー、コンタクト外すとこ初めて見たよ」
「そうなんだ。ほら、これがコンタクト」
「わぁ~」


KENにしてみれば、日々の単なる作業に過ぎなかったけど、
ユキがいる事で、それがとても楽しいものに思えた。



KENの携帯に電話がかかってくると、
話し中のKENに、犬みたいにじゃれてきた。


軽く邪魔してるつもりらしい。


電話の相手に「今、彼女の家に来てるんだ」
と言うと、途端に嬉しそうな顔になる。


そういうストレートで素直な感情表現が、
KENにはとても心地よかった。


つづく

【連載】最高で最低な彼女(4)広すぎるアパート 

ある日のデートの後、送ってもらった時のこと。


「道覚えるのは苦手なんだけど、KENちゃん家はすぐ覚えたよ」
得意げに言うと、KENの顔をのぞき込む。
ユキが好きだなぁ、と思う。


「ちょっと寄ってく?」
「うん」
ユキを初めてアパートに入れた。


ソファに座り、興味深げに部屋を見渡すユキ。


KENも隣に腰を下ろす。
「泊まってってもいいよ」と言うと、
やはりユキは、笑みを浮かべて下を見たまま、
「ううん」
と首を横に振った。


「そっか」KENも笑顔で答える。


2,3日後、今度はユキが、KENをアパートへ誘った。
そのアパートは、KENの住む町と、ユキの生まれた町の、
ちょうど真ん中に位置していた。


初めて来る町だった。
今まで訪れた、どの町とも似ていない町。


ユキの部屋は、アパートの2階だった。
部屋に通されて驚いた。
家族が住める程の、広いアパートだった。


「広いね」
「前、お母さんと一緒に住んでたから」


その説明を、KENは何の疑いもなく信じた。
お母さんではなく、他の男だったとしても、
KENは気にしなかっただろう。


居間の奥には、さらに2つの部屋があった。
一つは扉が閉ざされていたが、もう一つの部屋の扉は開いていて、
奥には水槽が、静かに青白い光を放っているのが見えた。


「熱帯魚飼ってるんだ」
ユキはそう言って、KENをその部屋へと案内した。


そこは寝室だった。


心の準備は出来ていなかったが、何も考える必要はなかった。
ベッドに横たわるユキに、KENは覆い被さっていった。


コンタクトレンズをしたまま寝るのは良くないな、
という考えが、一瞬頭をよぎったけど、
ユキとキスをしているうちに、いつしかそんな事は忘れていった。


つづく

【連載】最高で最低な彼女(3)あの雰囲気 

8つ年上と言っても、それ程年の差は感じなかった。
二人の時は子供っぽい一面も見せてくれたし、甘えてもくれた。


外見的にも若く見える方だったから、傍から見れば、
ちょっと年上の彼女くらいだったろう。


KENもハタチくらいの時は、年相応に見えたのだ(笑)


2度目か3度目のデートで、
「ホントに彼女と別れてきたの?」
と聞かれた。


KENが「うん、そうだよ」と答えると、
「そっか」と、神妙な面もちで頷いた。


もしそういうものがあるとすれば、
この時が、恋人になった瞬間だったんだろう。


ユキの仕事が休みの日は、必ずと言っていい程ドライブに行った。
山道を走って湖を見に行ったり、港の近くのショッピングモールへ行ったり。


そのショッピングモールを含め、ユキの生まれたその町が、
二人のもっぱらのデートスポットになっていた。


森高千里の『渡瀬橋』ではないけど、
恋人の生まれた町というのは、独特のムードがある。


初めて手を繋いだのは、そのショッピングモールの遊歩道だった。
帰りの車の中で、「ドキドキしたよ」というユキの言葉に、
KENもドキドキしてしまった。


港町だったせいもあり、ショッピングモールの他にも、寿司屋、
運河、煉瓦造りの倉庫、ヨットハーバーなんかもあった。
港から海をのぞき込めば、水中をふわふわ漂うクラゲの群が見えた。


デートを重ねるうちに、一つ気づいた事がある。


ユキと一緒に店に入ると、なぜか店員さんの愛想が良い。
頑固そうな寿司屋のオヤジまで、そうなのだ。


KENはあまり意識してなかったのだが、
どうもユキは、イイ女として世間の人の目に映るらしい。


ユキと別れて6年くらい経つわけだけど、
以来、女連れで店に入り、あの雰囲気に包まれた試しはない。


そんな想い出も、ユキがいまだに別格な存在に思えてしまう理由の一つなのだ。


つづく

【連載】最高で最低な彼女(2)「楽しかったっす」 

その後、本当に彼女と別れ、改めてデートに誘った。
最初の誘いから、約1ヶ月半後の事だった。


Mさんは、KENの誘いを受け入れてくれた。


その日、仕事が終わったら電話をくれるというので、
KENは一人、大学のキャンパスで時間を潰すことにした。
Mさんからの連絡は、思ったよりも早く来た。


Mさんは車だというので、キャンパス付近で拾ってもらい、
食事をしに、そのまま繁華街へと向かうことにした。


車を駐車場に入れ、とあるイタリア料理店に入る。


・・・数分後。


今まで、鏡ごしにしか会話を交わしたことのない二人が、
同じテーブルで、向き合って座っていた。
不思議な感じがした。


KENが「落ち着かない?」と言うと、
Mさんは微笑んだまま、うんともいいえともつかないような身振りをした。


「吸ってもいい?」と聞くMさんに、
「あ、俺も吸うから」と言って、タバコに火を付ける。
その方が、気兼ねなく吸ってもらえるからだ。


タバコを吸うようになったのは、また別の年上の女性の影響だったが、
それも結局、同じ理由からだったように思う。


とりあえず、自己紹介のような会話が始まった。


下の名前、身長、血液型、誕生日、etc...。
Mさんの下の名前はユキで、O型の蠍座だった。


お互い多少ぎこちなさはあったが、飾らず自然体で、
職場で見るより、ほんわかした雰囲気のユキさんに、
KENは好感をいだき始めた。


食事が終わると、KENを車で送り届けてくれた。


「じゃ」と言って車を降りようとすると、
運転席のユキさんは、視線をハンドルに落としたまま、
「楽しかったっす」
と、はにかんだように言った。


照れたように笑みを浮かべたユキの横顔を、
KENは、未だに忘れることが出来ない。


思えば、そういう一言一言が、KENの心を掴んでいったんだ。


つづく

【連載】最高で最低な彼女(1)プロローグ 

-はじまり-


今は当たり前になった携帯電話が、本格的に普及してきた頃。
大学入学と同時に買ったPHSも、気づくと携帯電話に変わっていた。


その頃の携帯電話と言えば、まだまだ通話の道具に過ぎず、
メール機能なんかは、今に比べればオモチャだった。


当時KENには、遠距離恋愛の彼女がいたが、
会えない日が続くにつれ、段々と冷めてきていた。


携帯のメールが今くらい機能的だったら、
彼女と楽しくメールをして、少しはラブラブだったかも知れない。


でも、実際は、そんな想像をしなくてもわかりきっているくらい、
別れの時は確実に近づいていた。


そしてその速度は、KENがある女性と知り合うことで、更に加速した。
その女性とは、KENの行きつけの美容院の美容師Mさん。


後から知ったが、お互い、第一印象は良くなかった。
しかし、その当時のKENは、年上の女性に対する憧れが強く、
幸か不幸か、MさんはKENより8つ年上だった。


そこでKENは、Mさんをデートに誘った。


Mさんの返事は、「彼女のいる人とはちょっと・・・」
という、しごくまっとうなものだった。


「じゃ、別れたら、デートしてくれますか?」


この一言が、全ての始まりだった。


つづく

今日の出来事取って出し! 

①まずは先日見つけたニュースから(すでにタイトルを無視(笑))。


いきなり喝っーつ!!゛(`ヘ´#)


<痴漢>女子高生触った大学生逮捕 メールアドレス渡す


メアド渡しの風下(風上?)にもおけんヤツばらですわ!
毎日会えるんだから、普通に声をかければいいのだわさ。


メアド渡しは、もっと奥深いものなのだよ。。。


ちなみに、私は今、一人、ジムで声をかけたい女性がおります(トリビアの高橋克実さん風にボケてみた(笑))



②次は、このblogからのお知らせです。ピンポンパンポ~ン♪


「最高で最低な彼女(仮題)というタイトルで、連載を開始する予定です。


全12話になると思います。


内容は、6年前に付き合ってた、彼女との記憶です。


自分で記憶を掘り起こしながら書いてみると、KENの恋愛の起源ここにありという感じで、今まで眠っていた力が、目を覚ましたかのように感じました。


一応書き上がってはいるのだが、大分校正の余地があるので、明日、月曜の夜から順次アップしていきたい!


姉さんに続けの連載物だーヽ(・∀・ )ノ キャッ キャッ

これまでの事も、今の気持ちも、これからの希望も 

今日から、アケミちゃんには素直な気持ちで接することにした。
なんだろう、良い意味での開き直り、かな?


自分としては不本意だけど、恋に落ちたという事らしい。
まだドップリではないし、食欲は落ちるどころか増えてるし、
今までのパターンでない事だけは確か。


これはこれで、恋だと認識すべきなんだろうね。


一応、今日メールして、その話を出し、
「今度会ったときに、ちゃんと話そう」、
という事になった。


多分、KENはストレートに会話を進めちゃうと思う。
これまでの事も、今の気持ちも、これからの希望も。


ただ、アケミちゃんの希望としては、KENに、
付き合わなくても、一緒にいれる男になって欲しいんだと思う。


それはちょっと、お互い様かもしんないけど(笑)
ヽ(・∀・ )ノ キャッ キャッ

雨の日は映画デート(2) 

彼氏さんは大丈夫なのか?と思いつつも、
結局そのまま映画館へ。


以前は、彼氏さんが全然会ってくれないような口ぶりだったけど、
こうしてメールが来るところをみると、そういうわけでもないみたい。


そういう時期もあったけど、
結局は、お互い好き合ってるって事なんだろうなー。


なんとなくモヤモヤしながら入場。


「タイヨウのうた」開演。
アケミちゃん、泣く。
KEN、泣けない・・・。


映画を観終わり、本日のメインイベント?


例の高架下で、
「はい」
と言って、包装されたCDを差し出す。


アケミちゃん「わぁ!なーにー?あ、HMVだー。CD?」


KEN ニヤニヤ( ̄ー ̄)


アケミちゃん「お家帰ってから開けるねー」


KEN「おう」


次の日のメールによると、早速聴いてくれたみたい。
嬉しいな。


しかし、相変わらずモヤモヤは消えず。


あー、イライライライラ・・・( ̄~ ̄;)

雨の日は映画デート(1) 

せっかくのデートなのに、天気悪いー(-_-#)


今日は、映画「タイヨウのうた」を観に行くということで、
駅で待ち合わせ。


実力派シンガーソングライター、YUIの初主演映画です。


はっ!Σ( ̄ロ ̄


いいこと考えちゃった。
主題歌のCDをプレゼントしよう。


そこで、待ち合わせ中にHMVに行き、
YUIの「Good-bye days」を購入。
ラッピングしてもらう。


こういう秘密の作戦ってわくわくしちゃうね。


アケミちゃん、到着。


映画までの時間で、ご飯とウィンドウショッピング。
ひたすらグルグル回る。


と、アケミちゃんの様子がおかしい。


KEN「どした?」


黙って携帯の画面を見せるアケミちゃん。


-これから飯食おうかと-


彼氏さんからのメールだった。


KEN「どうする?帰るかい?」


映画のチケットはもう買っちゃってたけど、
それもやむなし。


アケミちゃん「いや、大丈夫です」


KEN「あ、そう。・・・って、本当に大丈夫?」


アケミちゃん「これから映画観るって言ってるのに、30分前に言われてもムリですよ。それにご飯食べちゃったし」


まぁ、確かにそうなんだけど。
でも、あなたの彼氏ですよ?


大丈夫か、この子?(笑)


明日につづーく。


ヽ(・∀・ )ノ キャッ キャッ

優しくなくなるとき? 

優しい男が好き、と言い張るアケミちゃん。
ちょっとやっかいだ。
KENはどっちか言えば優しい部類だと思う。


メールでも、ついつい優しさがにじみ出てしまって(笑)、
「そんなコト言われたら好きになっちゃいますよぉ」
とか言われて、ちょっと調子に乗っちゃってる。


じゃ、何がやっかいかって言うと、
いわゆる「釣った魚にエサやるか」という話だ。


これは付き合ってみないと、証明できない。
1ヶ月後か、半年後か、1年後か、
絶対優しくなくなる時がくる、と彼女は考えているみたい。


最近優しさの足りない彼氏さんのおかげで、
チャンスもあるわけだけど、
それが逆に、彼女を用心させる要因にもなっている。


彼氏さんの愚痴なんて、好きの裏返しでもあるわけだし、
かと言って、多少額面通りに受け取れる部分もないわけではない。


だから、
「KENも少しずつ、素直な気持ちを言葉に出していかなきゃなのかもな」
なんて考え初めてはいる。


実際、段々と好きになりかけているみたいで、
今朝なんか、目が覚めた途端、アケミちゃんが恋しくなって、
出勤前にちょっと会いたい、と思ったくらいだった。
メールで我慢したけど。


恋に落ちちゃう日も、近い。


・・・のかも知れない。
ヽ(・∀・ )ノ キャッ キャッ

丑の日でもないのに鰻デート 

今日はアケミちゃんと鰻デートに行って来ました。


何のこっちゃい、という感じですが、
二人で鰻重を食べる、というシンプルな企画ですw


前の彼女が鰻嫌いだったもんで、
久しぶりに鰻食いました。
うまい!
二人で感動&満足。


デザートはケーキ店に行って、パフェを。
甘いモノ食べてる女の子の顔がKENは好きだ。
可愛いなぁ・・・。


KEN「苺食う?」
アケミちゃん「食べるぅ」
KEN「はい、あ~ん」
アケミちゃん「あ~ん・・・。(もぐもぐ)おいしぃ~」


今日はメールの続きを話したかったけど、
こんなに照明の明るいケーキ屋さんでは、そんな雰囲気もなく。


本当は、本気で付き合いたいと思ってるコトとか、
彼氏さんと別れる可能性があるのかとか、
KENのコト好きになってくれるのかとか、
真面目に話したかった部分はあるんだけど。


まぁ、デートもまだ2回目だし。
というコトで、3回目のデートをセッティング。
今週の木曜日は映画に決定。


駅の高架下で別れを惜しむ。
時折、通り過ぎるバイクの爆音が会話を遮って、
その度にKEN達は、視線を四方にさまよわせた。


アケミちゃんの睡眠時間を気遣うふりをして、
KENは心を鬼にして、腕時計に目をやる。
本当はもっと一緒にいたいけど、ズルズルはまずいもん。


帰宅すると、アケミちゃんからメールが。
「今日は楽しかったです。木曜日楽しみにしてます」


嬉しいよりも、心が洗われる心地がした。

二人を応援しよう 勝ちTは当たらない 

3週間ぶりの筋トレで筋肉痛がひどいKENです。
めちゃくちゃ好きやっちゅーねん!
ヽ(・・ )ノ キャッ キャッ


はい!
・・・ということで、今日もアケミちゃんのコトを書く。
かくかくしかじか。


アケミちゃんの反応で、段々惹かれてきたと昨日書いたけど、
別に相手の反応を見て楽しむとか、そういう趣味は全くない。
きっぱり。


でも、もし付き合うとして、この人とやってけるのか?
という観点から、見とかなきゃいけないわけで。


昔は気にならなかったけど、この歳になると、
そうコロコロと相手が変わるのも億劫と言うか。
だから、ちゃんとKENのコトを好きになってくれるかどうか、
すっげー気になっちゃうのですー。


アケミちゃんだって、それは同じだと思う。
お互い、反応を窺っている。


アケミちゃんが「彼氏がうんたらかんたらで、もう限界ですぅ」
と言ってくれば、KENは「応援してるよ」、と言うし、
アケミちゃんは「わたしの恋愛応援していいんですかぁ?(笑)」
と返してくる。


KENは「今は応援しててやるか(笑)」と言って、
いろいろ相談に乗ってあげればいい。
うまくすれば、自分のいいとこをアピールできるかもヽ(・・ )ノ キャッ キャッ


世の恋愛マニュアルなんかには書いてあるみたいだけど、
彼氏さんを否定することはタブーであることを、KENは身を以て知っている(笑)


これは、いつか詳しく書いてみたいテーマの一つだね(≧≦)


それに、未練を残さずに別れてもらいたい以上、
納得行くまで二人で恋愛してて欲しいのです。
KENと付き合ってから、前の彼氏が忘れられないなんてコトは避けたいもん。


それで本当に二人がうまくいっちゃったら、それはそれで「良いコトしたな、俺」、
と思えばいいのである(笑)

男が女に真摯に接したいと思うトキ 

復帰第二弾ということで。


まずは、なぜアケミちゃんに気持ちが向かっているか、
遡って書かなければならないですね。


KENが思うに、恋って、
ガーンと盛り上がってから付き合うパターンと、
付き合ってから、じわじわっと盛り上がるパターンがある。


もし付き合えるとして、アケミちゃんは後者。
今はまだ、「恋に落ちた!」という感じではないけど、
良い関係を築けそうな気がしてる。


だから、自分を見失うこともなく、
相変わらず、余裕かましてます。


正直、最初はちょっと、からかい半分な感じだった。
でも、口説いてるうちに、惹かれていった部分もあって。
口説かれた時の反応は人それぞれだと思うけど、
アケミちゃんの反応が、KENにとって新鮮だったのだ。


どんな反応だったかというと・・・。


「アケミちゃんの彼氏になりたいなぁ」
みたいなアホなことを、メールで言っていたんだけど、
アケミちゃんは、「そういう大事な話は、会ってしましょう」
と言った。


そんなコト初めて言われたし、KENに口説かれたことを、
大事な話だと認識してくれた女性は、今まで何人いるだろう?


いや、KENだって忘れていた。
ホントだ、すごい大事なコトだ。
口説くことも、口説かれることも。


「からかっちゃイヤですよ」
の一言で片づけるコトだって出来るけど、
覚悟こそすれ、そのセリフを期待している人はいないわけで。


かわされても突撃するのが男だとも思うけど、
女性も、たまには正面から受け止めてみては。


まぁ、そんな野暮な一般論にするつもりはなくて、
KENがその一言に心打たれたというだけ。


この人にはからかい半分でなく、
真摯な気持ちで接していけるんだ、と思えたから。

KEN、帰る 

ご無沙汰しています。
黙って3週間もお休みして申し訳ありませんでした。


詳しくは絶対書かないけど、家庭の事情により、帰省していました。
とてもblogどころではなかったのでした。


とは言え、今日からblogは完全復活!


こんなに間が空いちゃったので、どう語ろうか迷いますが、
とりあえず、現在のターゲットはアケミちゃんです。


そんな一大事の時でも、せっせとメールしてました^^;


KENの携帯はメールを1000通保存できますが、
800通程あった男性不信さんからのメールが、
日々、アケミちゃんのメールに浸食されている状態です。


その様子を見ているのは、ちょっと寂しいものがあるけど、
こうして、また一つの恋が終わり、新しい恋が始まるのでしょう・・・。


何はともあれ、またがんばって更新していくので、
応援よろしくお願いしますm(。_。;))mペコペコ

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